御城覆輪

「御城か」などと言わないでください。御城覆輪には歴史の重みがあります。

名前の通り、採取されたのは三重県の松坂のお城です。
松阪といえば松阪牛が有名ですが、江戸期には幾多の豪商が居た商業の町です。時代劇に出てくる伊勢屋は、本来、松阪商人の江戸支店です。
商業の町としての松阪は、戦国武将の蒲生氏郷がこの地に城下町を作ったのが始まりとされます。
その蒲生氏郷が建てたお城(松阪城)の石垣に着いていたものを左官の某氏が文久年間(約150年前)に採取したものが御城覆輪と伝えられています。
現在、城跡に天守閣はありませんが、立派な石垣が残り公園として整備されています。今も、その石垣には風蘭が着いているそうですが、それに柄があるかは知りません。
機会があれば、城跡を訪ねて歴史を感じてみては如何でしょうか。

御城覆輪
葉肉の厚い立ち葉の白覆輪。泥軸青根

正宗
採取された時は片覆輪だったのが由来。覆輪になり御城覆輪と改名された。

天恵覆輪
斑の色が黄色に変化したもの。

月桂冠
天恵覆輪との中間種でしょうか。御城と品名を分ける必要は無いように思えますが、細かく分けられるのは古くからある銘品の証でしょうか。

冬場に撮った古い写真です。綺麗なものが撮れたら差し替えますが、とりあえずこんな感じです。


御城覆輪

立ち葉に白覆輪。


御城覆輪

上の写真の今の姿。
日が強く、クリーム色です。

ごちゃごちゃし過ぎて特徴が分かりにくいので、上の写真も残します。


正宗

採取当初はこんなのだったのでしょうか


月桂冠

手に入れた際に月桂冠と銘が入っていたので、ラベルはそのままです。
出芽は白ですが、秋には黄色みが増しますので、このラベルになったのかもしれません。


天恵覆輪

出芽はクリーム色で黄覆輪。
秋は黄色が冴えて綺麗です。


松阪城の石垣

石垣の美しさで、日本100名城に選ばれています。

何処に有ったのでしょうか。
昔は結構な数の風蘭が付いていたのではと思いますが、現在は公園として整備され過ぎ、風蘭が育ちにくい環境になってしまっているように見えます。
石垣は風蘭を育てるためにあるのではないので、当然のことですが。

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